【連載企画】やさしく分かるディープラーニング(Deep Learning)の成り立ちと歴史

WRITER : 朴 泳虎

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前回連載第1回では、ディープラーニング(Deep Learning)とは何かについてご紹介した。今回はディープラーニングの源流であるニューラルネットワークの成り立ち、歴史についてご紹介したい。

ディープラーニングとは、経験(データ)により自ら賢くなるアルゴリズムである機械学習という技術の一種である。現在、Google、FacebookなどをはじめとしたIT業界の巨大企業たちが研究・開発・実装に大きく力を入れており、音声認識の飛躍的な精度向上、人間と遜色ないレベルの顔認証技術など、既に様々な分野に利用されて驚くべき成果を挙げている。この様に、我々の世界に大きなインパクトを起こしつつあるディープラーニングだが、これまでどういった経緯を辿って来たのだろうか。

第1回:【連載企画】今世界で注目を集める「ディープラーニング」とはなにか

第2回:【連載企画】やさしく分かるディープラーニングの成り立ちと歴史

第3回:【連載企画】世界の超巨大企業が取り組むディープラーニング開発

第4回:【連載企画】ディープラーニング開発を行う海外スタートアップ3選

第5回:【連載企画】AI・ディープラーニングに関する3つの未来予測

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ニューラルネットワークの登場

朴さん②

引用:http://www.geeky-gadgets.com/wp-content/uploads/2011/07/Brain-epicness1.jpg

ニューラルネットワークとは、人間の脳細胞であるニューロン・シナプスの信号伝達メカニズムを元に考案された、数式で表現されたモデルである。ニューラルネットワーク理論は、1943年にウォーレン・マカロックとウォルター・ピッツというアメリカの神経生理学者と数学者によって考案され、形式ニューロンと呼ばれた。

ニューラルネットワークは、複数の入力データを受け取って出力を行う単純な関数が、複雑に繋がりあった形をとっている。人間の脳も単純なニューロンの組み合わせによって高度な認識・思考を行っている事から、ニューラルネットワークは人間の脳と同じように高度な認識・思考能力を獲得できるのではないかと、当時は期待されていた。

しかし、ニューラルネットワークにとってはこれが長い冬の時代の始まりであった。

史上初のニューラルネットワーク「パーセプトロン」

朴さん③

引用:https://www.flickr.com/photos/fdecomite/3238536057/

この理論を元に、1958年にアメリカの心理学者であるフランク・ローゼンブラットの手によって史上初のニューラルネットワークである「パーセプトロン」が誕生した。当時、パーセプトロンは人間の頭脳の働きを工学的に再現する事に成功したとして、世間の注目を大きく集めた。

スクリーンショット 2015-02-24 7.23.16

しかし、パーセプトロンは線形分離不可能問題を解けないという致命的な欠点が発覚し、急速に世間の関心を失っていった。

その様な中でも、一部の研究者たちは辛抱強く研究を続け、80年代には線形分離不可能問題を克服した多層パーセプトロンを発表した。従来のパーセプトロンが入力層と出力層の2層構造だったのに対して、多層パーセプトロンは隠れ層と呼ばれる新しいレイヤーを追加した多層構造にする事で、次元を超えた表現ができるようになり、線形分離不可能問題が理解できないという課題をクリアした。

しかし、この多層パーセプトロンも、「動詞の過去形」など、簡単な概念が理解できないことが指摘され、ニューラルネットワーク研究は風前の灯火となった。

コンピュータの進歩がディープラーニング研究に劇的なブレークスルーをもたらした

朴さん5

引用:http://www.redorbit.com/media/uploads/2014/08/artificial-intelligence-617×416.jpg

しかし時代の流れとともに、従来指摘されていた様々な課題を解決する形で、ディープラーニングが登場した。ディープラーニングは、従来よりも更に多層のニューラルネットワークを構築することで、高い表現力を獲得し、従来の手法を圧倒するような性能を実現した。

この背景には、時代の流れとともにコンピュータの処理速度が格段に向上したこと、多層のニューラルネットワークを学習する上で必要となる、学習データに依存しすぎない手法と、学習効率の悪さを解決するアルゴリズムが登場した事が挙げられる。更に、インターネットの普及と情報処理社会の恩恵を受けて、学習に利用することのできるデータが大量に手に入るようになったため、断続的な精度の向上も可能になった。これが、近年ディープラーニングの分野が急激に成長してきた理由である。

おわりに

初期のニューラルネットワークからディープラーニングに至るまでのあらましを簡単にご説明したが、いかがだったろうか?ディープラーニングの成り立ちを知ることで、その本質を理解するのに少しでも助けになったのであれば幸いである。

次回連載第3回は、近年ディープラーニング研究に積極的に取りくんでいる、IT業界の巨大企業を紹介する。

▼連載記事一覧

第1回:【連載企画】今世界で注目を集める「ディープラーニング」とはなにか

第2回:【連載企画】やさしく分かるディープラーニングの成り立ちと歴史

第3回:【連載企画】世界の超巨大企業が取り組むディープラーニング開発

第4回:【連載企画】ディープラーニング開発を行う海外スタートアップ3選

第5回:【連載企画】AI・ディープラーニングに関する3つの未来予測

▼前回連載記事「スマートシティの未来」

第1回:【連載企画】世界の最先端ICT技術が結集!未来型都市「スマートシティ」とは?

第2回:【連載企画】シンガポール・オランダ・インドの海外事例から読み解く世界のスマートシティ動向

第3回:【連載企画】日本のスマートシティプロジェクトから持続可能な未来を考える

第4回:【連載企画】最新テクノロジーで夢のスマートシティを実現する先端企業5選

第5回:【連載企画】スマートシティの未来に関する3つの予測

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