5つのデジタルサイネージ最先端事例から見る未来の世界

WRITER : 杉山 史織

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急成長を遂げるデジタルサイネージ市場

「デジタルサイネージ」という言葉が頻繁に使われるようになり、野外・店頭・交通機関など、様々な場所で電子看板(デジタルサイネージ)が使用されるようになった。それもそのはず、近年デジタルサイネージ市場は急成長を遂げている。富士キメラ総研が2012年12月〜2013年3月にかけて行った、デジタルサイネージの国内市場調査『デジタルサイネージ市場総調査2013』によると、国内デジタルサイネージ市場の2012年度の伸びは、前年比111.1%(822億円)、国内デジタルサイネージ広告市場は前年比116.9%(214億円)とどちらも二桁の伸びをみせた。

2011年に起こった大震災の影響などもあり、市場が伸び悩んだかに思えたが、この数字を見ると、今後の成長にも期待がもてる。

b0134280_239207引用元:品川駅のデジタルサイネージ

デジタルサイネージの国内最先端事例

最近世間を賑わせたデジタルサイネージの国内事例を紹介したい。

 

7月2日に東日本旅客鉄道株式会社から発表された、山手線の新型車両は、「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」がキーワードで、全面の大きな窓や、居住空間を広く感じられるオープンなデザインとなっている。また、広告媒体をデジタルサイネージ化することにより、従来の紙媒体のものよりも付加価値の高い情報を提供する。2015年秋ごろから山手線で営業運転を開始する予定だ。山手線以外の路線でも、車内の広告がすべてデジタルサイネージ化されることが常識となる日は近いかもしれない。

Baidu IME_2014-8-1_0-37-1引用元:山手線の新型車両イメージ

 

由比ヶ浜にオープンした、エイベックスが運営するビーチハウス「avex beach paradise powered by UULA」に、エイベックス・デジタルとソフトバンクが運営する総合エンタメアプリUULA(ウーラ)が手がけた「UULA Movie Gamera(ムビカメ)」が7月19日〜8月31日まで設置される。

ムビカメとは、動画撮影時にモーションセンサーを使って、人の動きに合わせて様々な加工やアニメーションエフェクトをかけるFacebook連動型のデジタルサイネージだ。サイネージの前に立って、撮影ボタンを押すと、自動的に10秒間の撮影が始まる。

撮影した動画は、ムビカメのFacebookページにアップロードでき、様々な作品を観覧したり、友達とシェアすることが出来る。楽しい夏のビーチでの思い出が、さらに彩るデジタルサイネージだ。

Baidu IME_2014-8-1_0-41-11引用元:UURAのPRフレームは6種類

デジタルサイネージの海外最先端事例

また、デジタルサイネージは日本だけではなく、もちろん海外でもいたるところで見受けられる。

タイ国で携帯電話の普及率は117%に達しており、タイの広告主にとってモバイルはユーザとの重要なコミュニケーション・チャンネルとなっている。

過去には、モバイル広告・マーケティング会社であるD2Cが、タイ市場においてMCFIVA(マックフィーバ)社資本業務提携を行った。MCFIVA社は、各広告主向けにカスタマイズされたマーケティング・ソリューションを提供しており、D2Cとの資本業務連携によって、アジア地域における事業展開を進めていく方針を示した。

お隣の韓国でも、デジタルサイネージは非常に普及しており、駅などに設置されているデジタルサイネージは、ただ映像を映し出すだけでなく、お店のインフォメーションはもちろん、液晶に映し出された文字を押すと、レシート大のクーポンが出てきて、それをそのままお店で利用できる。データとしてスマートフォンに読み込むのではなく、デジタルなものからアナログな紙として自分の手元にクーポンが手に入る感覚は、逆に新鮮で面白い。もちろん液晶に映っているQRコードを利用したお店のサイト検索も可能だ。

引用元:ソウルの地下鉄 6号線 ハプチョン(合井) 駅のデジタルサイネージ

世界最大の小売業である「ウォルマートストアーズ」のデジタルサイネージによる成功事例は非常に有名だ。ウォルマートが行ったのは、インストア・デジタルサイネージだ。商品を選ぶ際の手助けとなる商品情報を買い物客の反応に合わせて表示することで、買い物客の反応を測定できる上に、買い物客の利便性を高めることが可能になる。

この取り組みは非常に効果があり、特定商品のデジタルサイネージを見た買い物客の15%がその商品を購入し、月間約4万〜30万ドルの売上要因となったことが判明した。

images

引用元:ウォルマートのインストア・デジタルサイネージ

 

未来を担うデジタルサイネージのあり方

従来は、デジタルサイネージは初期導入コストが高いこと、専用の機器に数千万のコストがかかること、明確な効果測定が困難であることなどが導入する際に問題とされてきた。しかし、この課題に対しても、各種センサリングデバイスの低価格化が進み、オンライン広告技術の発達によるO2O連携の強化により、効果測定を試みる動きが出てきたことにより、解決の道が開けてきた。

 

今、広告業界は、既存の広告以外の情報経路からのコミュニケーションをいかに立案するかの課題が課せられている。そこで、デジタルサイネージという広告媒体は、どのような環境で、どのようなメッセージを伝達するのか、広告の利用範囲を大きく切り開いてくれるひとつのツールとして確立しつつある。

 

株式会社ABEJAでも、デジタルサイネージを活用した次世代広告「フキダシステム」(特定のエリアを通過する歩行を個別に認識し、その歩行者に対して漫画の吹き出しのように「広告」を投影するシステム)を開発している。このシステムを担当している田島氏は、多くのものがデジタル化していく中で、横転できないところにあるあたたかみをもつアナログを、どのようにして絡めていくのかが重要だと述べている。

 

今後、デジタルサイネージは更なる発展を遂げるだろう。2020年の東京オリンピック開催は、デジタルサイネージの活躍の場になるに違いない。2012年には26%(214億円)だったデジタルサイネージの広告費が、2020年には全体の64%を占めるという数値は、デジタルサイネージへの大きな期待が現れている。これからもデジタルサイネージは、現在の私達には思いもつかない姿になって現れ、人々に感動を与えるだろう。どのように進化し、また、浸透していくのか、デジタルサイネージの未来を想像すると、ワクワクして仕方がない。

 

■関連記事:デジタルサイネージ市場のキーマンとなる次世代型広告「フキダシステム」とは?

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