アメリカ最先端テクノロジーに見る、2020年までに起こる小売業界5つの変化

WRITER : Editorial department

  iBeacon

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Arch for Startupより寄稿

現在、小売業界はオンライン販売の普及や、様々な技術の発展により大きな変化のまっただ中にいる。

マーケティングの調査会社eMarketerのレポートによると、2014年度における全世界でのeコマースの売上は1.3兆ドル以上であり、2013年の売上から22%もの上昇でオンライン販売の急速な普及が伺える。

また、アメリカではここ数年で4000以上のリーテル関係のスタートアップが生まれておりテクノロジーの発展はとどまることを知らない。

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引用:Which Countries Prefer to Shop Online and How Retailers Are Encouraging Sales

このような状況の中、Retail ProphetのCEOであるDoug Stephens氏は小売店の未来について「私達は今後10年で、過去1,000年間よりも劇的に変化する小売店を見ることができるだろう」と述べている。

Forbesのテクノロジー専門ライターであるNatasha Baker氏も2020年までに起こる小売店における5つの変化を次のように予測している。これらを実際のアメリカでの事例と共に見ていこう。

1. 小売店がショールームの意味を持ってくる

「小売店はミュージアムのようになってくるだろう。私達は何かしらを学び、楽しむために見に行くようになるのだ。」カルガリー大学の助教授であるThomas Keenan氏はこのように予測する。

このことは、顧客が小売店に来たからといってその場で購入するとは限らず、オンライン上で購入する事が増えてくる事を意味する。

こうなってくると自小売店で顧客が商品を買ってくれないといった問題が起こるかもしれないが、それを解決する可能性を持つ最先端技術がiBeaconだ。iBeaconは店内に設置した、小型のBluetooth搭載センサーを用いることでスマートフォンとのインタラクティブなコミュニケーション(クーポンの配布や商品の情報を与えるなど)が可能となるシステムだ。

iBeaconを用いることで小売店は顧客によるスマートフォンからの注文を容易にする事ができる。実際にアメリカでは、Macy’sのShopkick社のiBeaconの使用、Lord and TaylorによるSWIRL社のiBeaconの使用を筆頭に様々な小売店での使用が開始されている。

また、私達が拠点を置くシアトルでも以前紹介した、FootmarksArtifact TechnologiesといったスタートアップがiBeaconのサービスを提供している。小売店はこのようにしてオムニチャネル化が進んでいくだろう。

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引用:Lord and Taylor使用のSWIRL

2. 分析ツールが一般的なものとなってくる

それぞれの顧客に基づいて商品をオススメするとなると、小売店よりもEコマースのほうが情報を集めやすく正確にオススメすることができるだろう。だが最近では、小売店も分析ツールを用いることでより効率良く顧客に販売することが出来るようになっている。

例えば、サンフランシスコに拠点を置くスタートアップ、Prism skylabsはリアル空間の顧客分析に特化したサービスで、顧客の歩いた場所や立ち止まっていた場所などの情報を分析する事で下記のようなデータの視覚化を行う。

提供される情報を活用することで、小売店は店に適した商品の配置や売上のアップに繋がるような改善を行うことができるのだ。他にも以前ご紹介した上に散在している口コミやレビューを集め、分析したデータの提供を行うVenuelabsや、最適な出店場所を探すStreamLineも分析ツールの一種である。

このようにアメリカでは、様々な分析ツールが生まれ普及してきているため、小売店のサービスの質は自ずと上昇してくるだろう。

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引用:Prism skylabs

3. 支払いがよりスムーズになる

アメリカで急速に普及しているモバイルペイメントシステム、会社の支払いにおけるゴールはシームレスな支払いを可能にすることだ。

例えば、米国スターバックスのモバイルペイメントアプリでは支払いだけでなく、店舗に到着する前に商品の注文ができ、顧客の列にならぶ時間を削減している。

このようなサービスを取り入れ、出来るだけシームレスな支払いを可能にすることで、スターバックスは週に700万人以上のモバイルペイメントアプリ利用者の獲得に成功しているのだ。

また、小売店のコンサルティング会社Boston Retail Partnersの北アメリカの500の小売店の調査によると、ApplePayの普及率は現在8%ほどだが、2015年の終わりには現在最も普及しているPaypalを抜き、トップの普及率になるだろうと予測している。

現在モバイルペイメントの対応を行なっていない小売店も今後数年で対応する予定の小売店も多く、モバイルペイメントアプリの普及は確実なものとなっているだろう。

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引用:Apple Pay projected to crush PayPal at big box stores in 2015

4. 小売店は知覚技術をより活用する

小売店は私達の感情をより理解し、引き出す技術を活用するようになるだろう。例えば、サンディエゴに拠点を置くスタートアップEmotientはリテール向けの表情分析ツールを提供している。

このツールは顧客の顔を読み取り分析することで、顧客がどのような感情を示しているかをリアルタイムで獲得し、データにすることが出来るものだ。

このようなツールを活用することで小売店はその時々に応じた対応を取ることを可能とし、顧客満足度を上げることとなるだろう。

カルガリー大学の助教授Thomas Keenan氏はこのように述べている。「将来、音楽や匂いなどで、私達の感情に影響を与える技術が店内などで使われるようになるだろう。

そして、こういった店舗での経験が顧客に対し、ブランドの良い印象を与え、後日店に訪れた時や、オンラインでの購入時において、顧客の購入判断において良い影響をあたえる事になるだろう。」

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引用:Cameras And Devices Will Soon Decode, Store, And Track Your Emotions

5. テクノロジーが新しい販売員となる

テクノロジーは徐々に販売員の代わりとなっていき、業務の自動化が進むだろう。実際アメリカでは、WalmartやTargetといった大手スーパーでのセルフレジ化が進んでいる。

また、以前紹介したPoint insideのように顧客に店内のナビを行うアプリや、ビッグデータで在庫管理を可能にするIMB MobileFirstなどもそのうちの一つだ。

このようなテクノロジーが増えてくるといって販売員が消えるわけではない。むしろ、これらのテクノロジーがルーチンワークを行うことで、他の販売員は売上を延ばすために、顧客との関係を築くことに時間を割くことができるようになるのだ。

まとめ

このようなテクノロジー技術の進歩、小売業界の拡大傾向に伴って、毎日新しいサービスが生み出されているといっても過言ではない。

これからも小売業界はモバイルペイメント、iBeacon、セールスソフトとなど多くの素晴らしいサービスが生まれてくるだろう。

今後は、テクノロジーの大きな変化の波に適応し取り入れていくと共に、テクノロジーにとって代われない従来どおりの人間関係を大切にしていくことが重要となってくるかもしれない。

 

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tsubasa@archforstartup.com

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※「Arch for Startup」より寄稿

Arch for Startup

10904170_709467309173264_1970155646_nクラウドコンピューティング分野で世界一と言われるシアトルを拠点にクラウド関連やスタートアップ情報を発信。

●HPアドレス:

http://www.archforstartup.com/

●Facebookページ:

https://www.facebook.com/arch4startup

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