インダストリー4.0を読み解く3つのキーワード

WRITER : Editorial department

  IoT

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インダストリー4.0という言葉がメディアでも頻繁に取り上げられるようになった。

Google トレンドが示すところによると、インダストリー4.0は2015年になってから急速に注目を集め始めた。

インダストリー4.0とは、ドイツ政府が製造業の競争力を維持・強化するために掲げている政策で、「第四次産業革命」と訳される。いま世界の製造業は新しいフェイズに差しかかろうとしている。

今回はインダストリー4.0について「IoT」「マス・カスタマイゼーション」「3Dプリンター」という3つのキーワードから読み解き、解説する。

 

IoT

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引用:Internet of Things Analytics

”IoT”による「考える工場」の登場

第一次産業革命では18世紀にイギリスで蒸気機関が発明され、繊維工業が飛躍的な発展を遂げた。第二次産業革命は20世紀初頭に起こり、電力が普及し、ベルトコンベアを活用した大量生産時代に突入した。1970年代にはコンピュータが登場したことで第三次産業革命が起こり、生産の自動化が進んだ。そして今回取り上げる第4次産業革命はIoTによる「スマートファクトリー」が実現することを指す。

具体的には、部品工場や組立工場、物流のトラック、販売会社まで全てがインターネットでつながり、将来的には人の手を介すことなく、自動的に需給情報や顧客からの要望にもとづいて生産を行うことができるようになる。

 

ドイツのボッシュ社工場ではIoTデバイスが油圧機の組み立てを自動でサポート

ドイツ企業のBOSCH(以下ボッシュ)の工場では、BluetoothとRFID(ICチップ)を活用することで、200種類以上あり、手順が複雑な油圧機の組み立てを動画やテキストで参照できるようにしている。

ベルトコンベアで流れてくる組立途中の製品にはRFIDがつけられており、作業員の持つBluetooth端末には従業員の母語や職歴などの情報が組み込まれている。RFIDとBluetooth端末が連動して、英語話者には英語で、ドイツ語話者にはドイツ語でといったように作業員の母語に合わせた言語を使用し、経験が浅い作業員にはビデオで組み立て手順を表示し、熟練者にはテキストのみで表示するなど、一連のサポートが全て自動で行われる。その結果、200通りの製品を組み立てるのと、1通りの製品を200個組み立てるのにかかる時間の差は限りなく短くなる。

ボッシュでは、過去に全ての工程を機械で自動化しようとしたものの、コストが膨れ上がって失敗した経験から、あえて全てを機械に行わせるのではなく、段階的に機械が人をサポートする形にすることで、従業員の支持を得つつ、多品種多量生産を可能にしている。

 

マス・カスタマイゼーション

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引用:Siemens

個別大量生産で多様化する顧客ニーズに対応

近年価格競争力のある新興国製品の台頭によって、先進諸国は顧客により高い付加価値を与えることができる商品を開発する必要に迫られている。そうした文脈の中で個別最適化した製品開発の必要性がでてきた。

インダストリー4.0によって実現するスマートファクトリーは、従来の大量生産から「個別大量生産(マス・カスタマイゼーション)」への移行を可能にする。スマートファクトリーでは様々な生産ラインをつなげ、RFIDやBluetooth、IoTデバイスを通じて膨大なデータを即座にやり取りすることで、顧客の要望にあわせて材料の仕入先や生産工程を自在に組み替えられるようになる。

その結果、従来はコストの関係で実現できなかったカスタムメイドやオーダーメイドの多量生産が可能になる。

個別化された高付加価値製品が、従来の大量生産製品と同等の価格で販売できるようになれば、製品の競争力は高まり、顧客満足度は向上する。

 

ドイツのシーメンス社工場ではRFIDで個別の製品を管理

ドイツ企業のシーメンスの工場では、それぞれの製品にRFIDがつけられており、どの顧客向けのどんな製品が今工場のどの位置にあるのか、といった情報がすべてリアルタイムで管理・制御されている。

そのため、カスタムメイドの製品パーツでも流れ作業の中で組み込むことができるため、大量生産することができる。

 

3Dプリンター

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個別最適化した製品の提供を可能にする

上述のように、より付加価値の高い製品を開発する必要性が出てきた文脈の中で、3Dプリンターが果たす役割は非常に大きい。3Dプリンタを活用すれば個別化した部品をつくることができ、比較的容易にカスタムメイドやオーダーメイドの製品を作成することができる。

スマートファクトリーでは、どの製品にどの部品を使用するのか、といった情報がRFIDを通じて管理されているため、カスタムメイドやオーダーメイドの製品であっても、従来の大量生産のように自動化されたプロセスの中で生産することができる。

 

物流のコストと手間を省く

3Dプリンターは設計データさえあれば、設計データに基づいて全く同じものを作成することができる。従って、例えば製品の開発拠点と製造拠点が離れている場合、従来であれば開発拠点から製造拠点まで試作品を送り、現場の製造拠点でどのように製造するのかといったやり取りが発生していたところを、設計データを送って3Dプリンターでプリントすることで、運送のコストとタイムロスをなくすことができる。

 

国家の競争力に直結するスマートファクトリーの整備が急務

IoTを取り入れたスマートファクトリーは、従来の大量生産よりも高付加価値な製品を製造できる多品種多量生産が可能であると言うのはこれまで述べてきた通りである。今後のグローバル市場では価格競争力のある製品、もしくは高付加価値製品を生産できなければ、生存競争で生き残ることは難しい。

日本はトヨタ自動車を筆頭に、多くの分野でものづくりの市場を牽引してきたが、新興国には価格競争力で負け、ドイツや米国のようにIoTを取り入れた先進的な試みにも踏み切れていない。

IoT化の波に乗り遅れた場合、日本のものづくりは本格的に衰退の一途をたどる可能性は大いにあるといえる。

 

▼参照

まるわかりインダストリー4.0 第4次産業革命

決定版 インダストリー4.0―第4次産業革命の全貌

 

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【連載企画】全世界的な広がりを見せるIoTの全貌に迫る

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