Pebble社CEOが語るスマートウォッチ戦国時代を生き抜くための6つのヒント

WRITER : 今井 淳南

  ウェアラブル

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

2015年はスマートウォッチ戦国時代の幕開けとなりそうだ。Googleとパートナー企業達は「Android Wear」を昨年の夏から次々と投入しており、Apple は「Apple Watch」の発売を2015年4月に予定している。アナリストの予測では、Apple Watch の発売を機に、スマートウォッチやウェアラブルデバイスへの認知が急激に高まり、市場規模は2020年までに約230億ドルまで成長するとされている

世界の巨大IT企業が相次いて参入するスマートウォッチ市場の中で、大きな存在感を示しているのが「Pebble」だ。「Pebble」 は電子ペーパー用のディスプレイを特徴としたスマートウォッチを販売しており、初代のモデルはクラウドファンディングで約1000万ドルの資金調達を行った。その後、既に100万台の販売を達成しており、Samsung に次ぐ、業界第二位の販売台数を誇る。

今回は、 Eric Migicovsky氏 (Pebble CEO) がCNETのインタビュー記事 (英語) で語った内容から、今後のスマートウォッチ市場において、どのように Apple や Google の製品と差別化していくのか、そして Pebble が目指すスマートウォッチの姿について、考察を交えつつ紹介する。

【2015/02/25 追記】
米国時間の2/24に、Pebble の新型モデルとなる「Pebble Time」が Kickstarter のプロジェクトとして登場した。Pebble Time は、カラーeインクディスプレイの採用や、7日間のバッテリー持続などを特徴としている。現時点で、既に800万ドル以上の資金を集めており、歴代のKickstarterプロジェクトの中でも、驚くべき資金調達のスピードとなっている。なお、本記事が参考としたCNETのインタビューは、Pebble Time が登場する2週間前に行われたものである。
*Pebble Time – Kickstarter

スマートウォッチ2

引用: Pebble Smartwatch

Pebble CEO が示すスマートウォッチ市場を生き抜く6つのヒント

スマートウォッチ3

引用: Pebble CEO hints at how next smartwatch will battle Apple, Google and others

(1) スマートウォッチとの新たな関わり合いを生みだす

Migicovsky氏は、スマートウォッチのインターフェイスは多くの人々の手によって発展してきたが、スマートウォッチを使って具体的に何を、どうやって行うかは議論できていない、と語る。Google Galss やスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスが一部で「失敗」の評価を受けているのも、インターフェースやハードウェアの技術が先行するだけで、具体的なサービスが示されなかったことが原因とされている。Migicovsky氏は、ハードウェアからソフトウェアまで、スマートウォッチの機能を一新し、スマートウォッチとの新たな関わり合いを提供することを示唆している。

(2) スマートウォッチとは、つまるところ何なのかを問い続ける

多くのスマートウォッチの開発者達は、スマートフォンやタブレットの延長線上にスマートウォッチを捉えている。そのため、多くのスマートウォッチはタッチパネルを搭載し、スマートフォンと似たようなアイコンとインターフェースを備えている。Migicovsky氏はこの考え方に否定的であり、スマートウォッチとは、つまるところ何なのかという問いに、社内でも多くの時間をさいているという。インタビュー内で Pebble の次の一手については、明確な解答を避けているMigicovsky氏ではあるが、現行モデルのPebbleに搭載された物理ボタンは、多くの人びとに支持されていると答えている。

(3) Android Wear とは異なる領域を目指す

スマートウォッチ市場には、2つの巨大な勢力が存在する。Android Wear を開発する Google を中心とした陣営と、Apple Watch を開発するAppleだ。Migicovsky氏は、この2つの巨大勢力を、あまり脅威には感じていないという。現状の Android Wear は、スマートフォン上で提供される Google Now とほとんど同じものであり、Migicovsky氏が追求したい領域とは異なるようだ。一方、Apple Watch には期待を寄せており、利便性と多機能性のトレードオフをいかに克服するかという点に注目しているという。

(4) Pebble はさまざまな小型センサの「ハブ」となる

Migicovsky氏は Pebble に他社 (Apple Watch, Microsoft Band, Basis Peak) のようにフィットネス用のセンサを内蔵する必要はないと考えている。腕はセンサシングを行う場所としてベストではなく、多くのスマートウォッチでの心拍モニタリングの精度はひどいものだったと語った。Pebble は無線規格の一種である Bluetooth Low Energy (BLE) に対応する予定であり、BLEの少消費電力の特性を活かして、身体のさまざまな場所に装着した生体センサなどを Pebble と接続できるようになる。Migicovsky氏は、Pebble をこれらのセンサの情報を表示するディスプレイとして活用できることに、大きな可能性があると述べている。

(5) モバイル決済にNFCではなく、QRコードを利用

Apple Pay の登場により、近距離無線通信技術であるNFCを利用したモバイル決済システムに注目が集まっている。一方、Pebble はNFCには対応せず、QRコードの用いたモバイル決済システムを構築しようとしている。スマートウォッチのみでモバイル決済を行う際に、QRコードを用いたシステムにおいて必要となるものは、Pebble に搭載されているような白黒表示が可能なディスプレイのみであり、NFC用の専用モジュールは不要となる。サードパーティ製アプリ「PebbleBucks」のように、既にいくつかの店舗で利用できるQRコードベースのサービスも存在し、Pebble社 はQRコードを利用したモバイス決済システムについて、いくつかのパートナーと交渉を進めているという。

(6) 常時ディスプレイがONであること

Pebble で最も大切な要素は「手首に視線を向ければ、いつでも時刻が確認できること」だと、Migicovsky氏は語る。多くのスマートウォッチは、電力消費を抑えるために、待機時はスリープモードとなっており、使用時にディスプレイを手動でONにする必要がある。(一部のスマートウォッチは、腕の動きを感知して自動でディスプレイをONにする機能を持つ。)一方、Pebble が採用する電子ペーパー用のディスプレイは、画像の表現力は乏しいものの、省電力性に非常に優れている。そのため、Pebble は普通の腕時計のように、常に時刻や情報を表示し続けることが可能だ。この特性を活かすためにも、今後、Pebble が電力消費に繋がるディスプレイの大型化や、色鮮やかな有機ELディスプレイの採用を行う可能性は低い。Migicovsky氏のスマートウォッチに対する哲学が詰め込まれた新型 Pebble は、2015年後半に公開される予定だ。
【2015/02/25 追記】
Pebble の新型モデルとなる「Pebble Time」が Kickstarter上で発表された。
*Pebble Time – Kickstarter

Pebbleのスマートウォッチへの哲学は巨大IT企業を打ち破るのか

今回は、Eric Migicovsky氏 (Pebble CEO) がCNETのインタビュー記事で語った内容から、今後のスマートウォッチ市場における、Apple や Google と製品の差別化についてや、Pebble が目指すスマートウォッチの姿について、抜粋して紹介した。

今後、大きな成長が見込まれるスマートウォッチ市場において、iOS や Android OS などの後ろ盾を持たない Pebble が、どのようなサービスを提案し、どのような「哲学」を示していくのか、注目していきたい。

▼参照

Pebble CEO hints at how next smartwatch will battle Apple, Google and others

Pebble Smartwatch | Smartwatch for iPhone & Android

▼関連記事

IoT時代のスマートウォッチ「Pebble」とは 

マイクロソフト社、先手を取る戦略でスマートウォッチを発売か

【速報】ついにAppleの腕時計型デバイス「Apple Watch」が発表される!【iPhone6 / iOS8】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

各種お問い合わせはこちらから

  • マーケティング資料請求
  • お問い合わせ
  • 会社資料請求

あなたにオススメの記事

  • 人工知能の全貌に迫る!人工知能の活用事例10選

  • 今、数々のファッションブランドが飲食業界への参入を急ぐ理由

  • シリコンバレーの大企業が注目するグラフデータベースとは?その魅力に迫る!

  • どうなる3Dプリント業界? "幻滅期"を抜け出すカギはどこにあるのか

  • 【連載企画】今世界で注目を集める「ディープラーニング(Deep Learning)」とはなにか

  • 【連載企画】いま、ファッション業界でIT革命が起きている

  • シリコンバレーの天才達が土日も休まず働く理由

  • もし桃太郎が現代のWebマーケティングで鬼退治をしたら