「シェアリングエコノミー」Amazonの商品を一般人が配送する時代に?

WRITER : 野田 勝

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近年、シェアリングエコノミーという新たなビジネスの形態が注目を集めている。シェアリングエコノミーとは、世の中に余っているモノや人、スペースなどを、必要としている人に貸し出す形のビジネスのことを指す。

シェアリングエコノミーの形態は、空き部屋貸しや、日常の雑務代行など多岐に渡り、その市場規模は今後11兆円規模まで成長すると見込まれている。

▼参照

MIT Sloan grad on the “sharing economy,” the next big trend in social commerce

市場の筆頭はタクシー配車サービスのUberと、空き家マッチングサービスのAirbnb

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引用:TechCrunch

シェアリングエコノミーの代表格で、現在世界中で注目を集めている空き家マッチングサービスのAirbnbは、空き部屋があったり、ユーザーが海外への長期滞在などで一定期間部屋を使わないといった時に、その空いている部屋を旅行客に貸し出すサービスである。

また、タクシー配車サービスのUberは、Uberと契約したドライバーが、自分の時間に余裕がある時に、周辺の乗車希望者を目的地まで送り届けるモデルで世界中にサービスを展開している。

シェアリングエコノミーの二大巨頭の企業時価総額は共に100億ドル越え

Airbnbの企業時価総額は100億ドル(約1兆2千億円)といわれている。そしてUberの時価総額は何と400億ドル(約4兆8千億円)にも達し、日立製作所(4兆4千億円)やPanasonic(3兆8千億円)といった日本の大企業を上回る規模に成長している。

今回は注目のシェアリングエコノミーの市場から、注目の企業をいくつか紹介する。

日常の雑務の代行を依頼できるタスクラビット

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引用:TaskRabbit

TaskRabbit(以下タスクラビット)は2008年にアメリカで開始したサービスだ。タスクラビットは、例えば部屋の掃除をしてほしい、犬を散歩に連れて行って欲しいといったタスクをユーザーがサイト上に掲載し、タスクラビットに登録している人の中から、タスクを行ってくれる人を募るというサービスだ。

タスクラビットに登録し、タスクを行う人は「ラビット」と呼ばれる。各ラビットには評価制度が導入されているため、ユーザーはタスクを依頼する際に、より信頼度の高いラビットを選ぶことができる。また、ラビットに登録するには身分を証明する必要がある上、ソーシャルメディアの公開情報を分析するなどして人物をチェックするため、ユーザーは安心してタスクを任せることが出来る仕組みとなっている。

駐車場のマッチングサービスを行うakippa

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引用:akippa株式会社

空き駐車場のマッチングサービスを提供しているakippa株式会社(以下アキッパ)は、今年5月に株式会社DeNAから出資を受けたことでも話題になった。アキッパは、空きのある月極駐車場を日割りで貸し出したり、家の車庫を使用していない時だけ利用者に貸し出すといったサービスを展開し、急成長を遂げている。

ユーザーは、外出する際に目的地周辺の駐車場をアキッパで予約しておけば、現地についてから駐車する場所に困ることは無くなる。また、使用していない自宅の駐車場をアキッパに登録しておけば、需要があった際に収入を得ることもできる。

ポップアップショップの出店に活用できるSHOPCOUNTER

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引用:株式会社カウンターワークス

SHOPCOUNTERは、空きスペースのオーナーと、短期でスペースを利用したい人のマッチングサービスである。スペースの利用方法はユーザーによって多種多様で、フロアを丸ごと貸し出しているケースもあれば、お洒落なカフェの棚スペースを、雑貨、アクセサリー販売用に貸し出すなど様々だ。

ユーザーは1日単位でスペースを借りることが出来る上、場所を借りるにあたって保証金などの初期費用が必要ないため、店を開くハードルがかなり低くなる。

配送のシェアリングエコノミーに取り組む企業

近年、物流の業界にもシェアリングエコノミーを取り入れた新たな流れが生まれている。従来の物流業者は、自社で専属のドライバーを抱え、依頼を受けた配達物を指定の場所へ配達する形が一般的であった。最近では、前述のUberを始め、EC業界の雄アマゾンや、米国のスタートアップ企業であるインスタカートも物流のシェアリングエコノミーに取り組んでいる。

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アマゾンが一般人を配送のシステムに活用か

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引用:THE VERGE

THE VERGEによると、現在アマゾンは一般人を配送のシステムに活用するアプリを開発中であるという。引用元の記事によると、アマゾンが既に取り組んでいるアマゾンロッカーや、コンビニに配達された商品をピックアップして、自宅まで届けてくれる人を集うシステムを考案しているのではないか、とのことである。

アマゾンはこれまでも、自転車やタクシーを使って即日配送を実現するべくテストを重ねており、今回の情報もその一環であると推察される。このサービスが実現すれば、アマゾンで購入した商品の受け取り方の幅は更に広がり、アマゾンで商品を購入する障壁は更に低くなる。

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生鮮食品を「おつかい」するインスタカート

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引用:instacart

前述のアマゾンの取り組みの他に、すでに配送にシェアリングエコノミーを用いたビジネスモデルに取り組んでいる企業も存在する。米国のスタートアップであるインスタカートは、現在ボストンやロサンゼルスなど、アメリカの一部地域で商品の即時配達サービスを展開している。ユーザーがオンラインで商品を購入すると、インスタカートと契約する配達員が実際に店舗へと足を運んで商品を購入し、その足で配達先まで商品を届ける。

生鮮食品は、冷蔵のコストが高くなるため在庫管理が難しく、ECで取り扱うのは困難だと言われてきた。インスタカートは、実際にスーパーの実店舗に配達員を派遣し、ユーザーの元に届ける形態を取ることで、在庫管理の課題を解決している。

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シェアリングエコノミーの課題はサービスの信頼度と法整備

シェアリングエコノミーは、世の中の有効活用できていないものと、それを必要とする人とを、テクノロジーの力でマッチングすることで、有効利用していく取り組みである。冒頭で述べたように、シェアリングエコノミーの潜在的な市場規模は非常に大きく、人々の生活をより便利にすると同時に、働き方の多様性も生み出すなど、そのメリットは多い。

その一方で、サービスの信頼度と法整備にはまだ課題が残る。サービスの信頼度に関して、アマゾンやインスタカートが取り組む物流のシェアリングエコノミーでは、配達に不慣れな一般人が速く、且つ正確に届け先へ配達できるのかという疑問が残る。また、依頼を受けた配達物に対し、配達員によって何かしらの悪意ある細工がなされる可能性や、盗難に遭うリスクも無視は出来ない。この点に関しては、タスクラビットが行っているように評価制度を取り入れるなど、対策が必要だ。

また、日本でもAirbnbやUberが既に物議を醸しているように、現行の法律がシェアリングエコノミーを想定しておらず、企業によっては現状「グレーゾーン」のビジネスとなってしまっている、という点も懸念の1つだ。しかし、ユーザーの利便性が大きく向上するのであれば、法整備に関しては柔軟に対応していくべきだ。企業だけでなく、自治体の今後の動きにも要注目である。

▼参照

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