2015年の事例から読み解く、アパレル業界2016年のトレンドとは?

WRITER : Editorial department

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

アパレル業界を始めとした小売業界において、オムニチャネル・パーソナライゼーションという言葉が聞かれはじめて久しいが、2015年はオンライン・オフラインといったチャネルを越えたシームレスなプロモーションや、個別に最適化された顧客体験などが注目された。

2016年もこれらのトレンドは継続すると考えられるが、特に店頭での顧客体験価値を高めるような施策が、さらに注目をあつめることになるだろう。

本記事では、2015年でのアパレル企業の先進的な取り組みをふまえ、2016年のアパレル企業のトレンドを紹介したい。

▼参照

Fashioning a Winning Strategy: The Top 5 Trends for Apparel Retailers in 2016

1. アパレル企業による新しい業態への展開

katespade

引用:kate spade

アパレル企業は総合的な「ライフスタイルブランド」を目指すべく、洋服以外へのブランドの展開など、経営の多角化を進めている。このような動きは、2016年にさらに加速していくと考えられる。

例えばケイト・スペードは、バッグや財布などの商品イメージが強いが、2015年の5月から家具やファブリック、インテリア雑貨などの商品展開を始め、8月からはキッチンウェアやスポーツウェアの販売も始めるなど、商品の多角化を進めている。またH&Mでは、2015年秋から、実店舗に化粧品コーナーや家具・日用品コーナーを展開して売り場を多角化、店舗全体で顧客にライフスタイル提案を行っている。

今後はこれらの店舗形態が有効なのか、またオンラインでの販売と組み合わせることで、どのチャネルで販売することが効果的なのかを検証し、ブランドの最大限の価値を顧客に提供する方法を見つけ出す必要があるだろう。

2. 店舗でのユニークな顧客体験

UO

引用:Urban Outfitters

アパレル企業は、リアル店舗の来店客を増やすと同時に、顧客の満足度を高めるため、店舗でのユニークで新しい顧客体験の創造がさらに求められるようになる。

Urban Outfittersがアメリカでピザチェーンを買収し、ピザ屋との併設店舗を展開したことは、2015年注目を集めたが、他にもClub Monacoというブランドが、図書館やカフェを併設した店舗をアメリカにオープンさせている。

また日本国内でも、BEAMSやUNITED ARROWSなどが、カフェを併設した店舗の展開を行っていたが、今後はさらにユニークな顧客体験を創出するため、大手アパレル企業を中心に、リアルでの新たな店舗づくりが進んでいくと考えられる。

このように、リアル店舗は今後、商品そのものではなく、買い物をする、買い物をしながら何かを食べる、誰かと時間を過ごすといった、「行為」を消費する場所にますますなっていくのではないだろうか。

 

▼関連記事

今、数々のファッションブランドが飲食業界への参入を急ぐ理由

3. 店舗スタッフがさらに重要な役割を担うようになる

tablet

引用:Samsung

オンラインショッピングとリアル店舗における買い物の大きな違いは、接客の有無であり、アパレル企業の多くは、店舗の差別化のために接客の強化を図っている。

スタッフの接客トレーニングはさることながら、最近では、店舗への来店人数のデータをもとにした、スタッフシフトの最適化などが積極的に行われてきている。

また接客のレベルをあげるために、店舗におけるテクノロジーの活用も積極的に行われている。アメリカのchico’sでは、スタッフが接客時や接客後に、タブレットにお客さんとのコミュニケーションを記録に残し、そのデータを他のスタッフとも共有することで、次回以降の接客に活かすという取り組みを行っている。

このように、データやテクノロジーを扱いながら、今までの経験による知見と組み合わせて顧客とコミュニケーションができるようなスタッフの育成が、2016年は鍵になってくる。このような接客そのものが、顧客のリアル店舗での買い物体験の価値を高めることになるだろう。

4. キャンペーンの個別最適化がさらに進行する

big-data-definition

引用:Webopedia

2015年以前から長らく言われていたことであるが、オンライン上のデータを駆使した、個別に最適化されたマーケティングがいよいよ本格化することが予想される。

Facebookでのプロモーション、自社アプリの活用が進むことで、顧客ごとに情報として届ける商品、メッセージ、クーポンなどを最適化できるようになった。

多くの企業がオンラインでのプロモーションに力を入れ始める中、2016年は、データ解析ツールやマーケティングオートメーションツールなどの外部ツールを活用して、オンライン・オフラインで顧客データの収集を行い、ターゲットセグメントを細分化させ、キャンペーンを実施することが求められる。

しかし自社企業内でデータの最適化を行ったとしても、ZOZOTOWNやAmazonなどのポータルサイトの存在は脅威になっている。2016年は特に、上記のようなサイトとのデータ連携の可能性を模索していく必要があるだろう。

2016年ますます複雑化する顧客購買行動への対応が求められる

shopping

引用:Vive La Palestina

日本でも、各アパレル企業のECサイトや、ZOZOTOWNなどの総合ECサイト、メルカリなどのフリマアプリなど、オンライン上だけでも数多くの購入手段が確立されることで、消費者の購買行動はますます複雑になってきている。そのような中アパレル各社は、リアル店舗も含めた売上・利益の向上、クロスチャネルでの顧客満足度の向上がますます課題になっている。

矢野経済研究所のデータでは、2014年でのアパレル業界の市場規模は、約9.3兆円とされている。またローランド・ベルガーのレポートによると、国内アパレル業界の市場規模は2014年~17年にかけて年1%の割合で低下していくとされている。

しかしこれらのデータの中には、メルカリに代表されるフリマ、オークションでの取引金額が含まれていない。CtoCの市場が今後さらに拡大した場合、現状のアパレル業界全体の市場規模にも影響をしかねない。

フリマアプリでの買い物行動が急速な広がりを見せた2015年をふまえ、2016年は、このような顧客購買行動の複雑化への対応が求められるはずだ。

このように市場規模の縮小、既存のビジネスモデルを覆すプレーヤーの登場など、様々な市場環境の変化にさらされているアパレル業界であるが、そのような中でも、この記事で述べられているような店舗の差別化・ブランドの差別化によって、顧客体験価値を向上させ、ブランドロイヤリティを高めることが、2016年もさらに重要になってくるはずである。

 

▼関連記事

ZOZOTOWN人気ブランド20個のInstagramから学ぶ、ファン獲得のためのキーワード

アパレル業界必見!話題のファッションECサイトを分類してみた

小売企業のビジネスモデルを破壊するショールーミングに対抗するには

2015年のオムニチャネルはどう進化する?注目すべき5つのトレンド

「国内注目オムニチャネルサービス15選」を公開しました。

スライド041

今回は、累計500万ダウンロードを突破した有名なサービスから、2月にリリースされた新しいサービスまで、国内小売企業が取り組むデジタルテクノロジーを活用した注目のオムニチャネル事例を取りまとめました。

記事内では取り上げることのできない様々な情報を取り上げております。

是非、小売業界のマーケターの皆様に事例研究やサービス導入をする際の参考資料としてご活用いただきたいと思います。

資料ダウンロードはこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

各種お問い合わせはこちらから

  • マーケティング資料請求
  • お問い合わせ
  • 会社資料請求

あなたにオススメの記事

  • 人工知能の全貌に迫る!人工知能の活用事例10選

  • 今、数々のファッションブランドが飲食業界への参入を急ぐ理由

  • シリコンバレーの大企業が注目するグラフデータベースとは?その魅力に迫る!

  • どうなる3Dプリント業界? "幻滅期"を抜け出すカギはどこにあるのか

  • 【連載企画】今世界で注目を集める「ディープラーニング(Deep Learning)」とはなにか

  • 【連載企画】いま、ファッション業界でIT革命が起きている

  • シリコンバレーの天才達が土日も休まず働く理由

  • もし桃太郎が現代のWebマーケティングで鬼退治をしたら

  • メルマガお申込み