年間平均売上8.5%UPし続けるスターバックスコーヒーのオムニチャネル戦略

WRITER : 楠富 智太

  オムニチャネル

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「人々の心を豊かで活力のあるものにするために―ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティーから」

このミッションのもと、スターバックスコーヒー ジャパン株式会社(以下、スターバックス)は、美味しいコーヒーを飲める空間とくつろいだ時間を提供する。この洗練されたサービスのために、商品、接客、プロダクトデザイン、出店計画、店舗、ECなど全てのチャネルで利用者に対するひとつなぎの戦略を実践している。

今回は、このスターバックスが行うオムニチャネルの正体に迫る。

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オムニチャネルがもたらす最適化

米国の百貨店Macy’s(メイシーズ)が初めて2011年に掲げた「オムニチャネル」は、顧客が体験するさまざまな販売チャネルをシームレスに連携し、最適化するマーケティング戦略だった。

オムニチャネルという、インターネット上でも実店舗でも、区別なく買い物ができる世界を目指す言葉は、ECやマーケティング業界にとって耳触りがいい。店舗側は、顧客・購入履歴・在庫情報のデータベース一元化、組織統合など、あらゆるチャネルを用いて顧客に売り込むことができる。流通コンサルタントやIT企業にも都合がよく、その結果、国内のオムニチャネル事例には、それらの仕組みを売った側の成功談があふれている。

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オムニチャネル戦略で成長し続けるスターバックス

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引用:スターバックス コーヒー ジャパンの売上高と店舗数

スターバックスは、自宅でも勤務先でもない「サードプレース」として、コーヒーをくつろぎながら味わってもらうブランドを確立した。1971年に米国で創業し、日本には1996年に進出。2001年の上場時の売り上げは約476億円。その後12年間で年平均8.5%の成長を果たし、2013年度の売上高は約1257億円、営業利益は約110億円の優良コーヒーチェーンに成長した。

ライバルであるドトールコーヒーの2013年度売上高、約739億円に対して1.7倍だ。客単価でもドトールコーヒーは300円台半ばなのに対して、スターバックスは約600円である。

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オムニチャネルで、居心地の良さの追求

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スターバックスは、少し高いコーヒーで客単価を上げ、客数は新規店舗を増やし続けることで伸ばしている。日本進出当初のスターバックスの成長要因を数値化すれば、「客単価×客数」というごく当たり前の表現になる。

「少し高くてもいい」と思わせるブランド価値が成長し続けるスターバックスを支えたのは間違いない。

オムニチャネルが、認知、検討、購入の各段階を1店舗で完結させず、ソーシャルメディアからECサイト、各実店舗まで一つの購買体験として顧客をあまねく(オムニ)包み込むことがとすれば、私たちがスターバックスで体験していることはオムニチャネルそのものだ。

 

以下にスターバックスが行っているオムニチャネル施策を列挙した。

■ 店内無線LAN「at_STARBUCKS_Wi2」
スターバックス店舗内でWi-Fiが利用できるサービス。全国の995店舗で展開中だ。(2012年3月末時)

■ ワンモアコーヒー
ドリップコーヒー(本日のコーヒー)を注文した時のみに、100円でもう一杯コーヒーできるサービス。

■ スターバックスカード(ミニスターバックスカード)
便利なプリペイドカード。Web登録をすると、オンライン入金、オートチャージ、紛失時の残高補償サービスなどを利用できる。

■ ドライブスルー
車に乗ったままオーダーできるサービス。

■ ANA連携
スターバックス カードへの入金やスターバックス商品ご購入の際、ANAカード(クレジット機能付)をご利用頂くと、クレジットカード会社のポイント移行で得られるマイルとは別に、追加でマイルが自動積算される。

■ コンビニでのチルドカップ
コンビニの商品として販売している。

■ オンラインストア
オンラインで季節限定のコーヒー豆、タンブラーやオンラインストア限定ギフト商品を用意している。

■ マイスターバックス
新商品やキャンペーン情報などのメール配信、会員限定のコンテンツ利用やプレゼントなどを楽しむことができる。

■ Facebookページ
2015年1月時で、いいね!1160538件 · 30063人が話題にしている。

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成果をもたらす本物の「オムニチャネル」とは

オムニチャネルが流行りの戦略だとしても、最終目的は売り上げを上げるということだ。売り上げが伸びなければ意味がない。ソーシャルメディア、実店舗、ECサイトのシームレス化を図り、認知、検討、購入のプロセスを実現することが目的ではない。

その点、スターバックスはどの店も同じサービスなのに、どの店にも個性があり、他店より少し高くてもついつい利用してしまう。スターバックスこそ、オムニチャネル戦略を実践してきたのではないか。

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