ドン・キホーテの取り組みから見るインバウンド顧客を5倍に増やす方法

WRITER : 朴 泳虎

  小売業界トレンド

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引用:Iza

インバウンドとは外国からやってくる旅行、一般的には外国人観光客を指す。日本では政府が2003年に「外国人旅行者訪日促進戦略」を掲げてから旅行客数が伸び続けており、2014年には1341万人の旅行者が日本に訪れた。また、こういった観光客は品質の優れた日本製品を大量に購入していく傾向があり、一度に大量の製品を購入する行為を指す「爆買い」というキーワードが流行語大賞に流行語大賞に選ばれたのは記憶に新しい。

 

このようにインバウンド市場は大きく拡大しつつあるが、中でも大きな成功を収めているのがディスカウントストアのドン・キホーテである。今回は、同社の取り組みから国内小売企業がさらにインバウンド顧客を取り込むための方法について考えてみたい。

 

前年同期比の5.6倍にまで登るドンキのインバウンド売り上げ

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引用:Yamashita Yohei

消費増税等の影響で他の小売企業が苦しむ中でドン・キホーテは27期連続増益、2015年も売上高7300億円で最高益を更新している。同社の好調を下支えしている柱の一つは急増しているインバウンド売上だ。同社の2015年期中間決算によると同社のインバウンド売上は前年同期の5.6倍に上った。

ドン・キホーテは2008年と比較的早期からインバウンド獲得への取り組みを始めた企業である。同社は海外の旅行博覧会に出店して積極的なPRを行ってきた。同社が食品から家電製品まで多種多様な日本製品を置いている上に全店で免税対応して専用のカウンターを設置していることも大きな宣伝材料となった。

 

また、同社はグループ傘下262店のうち観光スポットの近い19店をインバウンド旗艦店に指定して取り組みを強化する他、英語、中国語、韓国語などに対応するコールセンターを設置して日本語が話せない顧客の対応を行っている。このように全社的にインバウンド対応への体制を作り、地道な努力を重ねてきたことが現在の成功へとつながっているのだ。

 

インバウンドを獲得する上での強みを見極める

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引用:日経 College Cafe

インバウンドの取り込み競争において立地は非常に強力な武器となる。メリルリンチ日本証券のリサーチアナリスト青木氏は 「インバウンド消費が取り込めているかどうかは、現状では立地の違い」と指摘する。百貨店では伊勢丹新宿店や銀座三越店などが好調にインバウンド売上を伸ばしており、人気の観光スポット近くに立地している店が多いことが見て取れる。

 

また、観光客の行動パターンを理解することが非常に重要になる。ドン・キホーテでは20時~24時の時間帯が最も売上が高い。「初めて日本に来る観光客の方の多くは、パックツアーだ。だから、観光客の方が自由に買い物ができるのはアフターディナーの自由時間でその時間に色々な分野の商品をそろえている店は当社ぐらいだ。」とドンキホーテホールディングス会長 安田隆夫氏は語る。このように、インバウンド顧客の行動パターンを注意深く観察したうえで自社の強みを考えることで多くの観光客を呼び込むことが可能となる。

 

自社のインバウンド売上を増加させるために

 

小売企業は自社のインバウンド売上を伸ばすためにどのように戦略を考えて行けばよいのだろうか。上記から見えてきた答えは二つだ。

一つ目は外国でのマーケティングをきちんと行い、外国人観光客が買い物をする際に不便を感じないようなサポート体制を全社的に作り上げていくこと。元来、日本のサービス水準は世界最高レベルと言われている。

二つ目はインバウンド顧客の特性を理解したうえで自社の強みを再検討して戦略に落とし込むことだ。

 

2020年に向けてインバウンド顧客はさらに増加することがほぼ確実と予測されている。大きなチャンスをみすみす逃さないために準備をし始めるべきなのではないだろうか。

 

▼参照記事

ダイアモンド

日本経済新聞

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