【連載企画】コンビニ業界大手3社のビックデータ活用事例まとめ

WRITER : 楠瀬 朝子

  小売業界トレンド

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いまコンビニ各社は、積極的にビックデータを活用している。

POSデータだけでなく、各社が提供するポイントカードも利用することで、顧客情報に紐づいたデータが収集できるようになり、より顧客のニーズに合わせた商品開発・販売戦略が可能になった。

以下では、各社の活用するポイントカードの会員数や利用率についてまとめながら、コンビニ業界大手3社の事例を紹介する。

ローソン:Pontaカード

・共通ポイント型

・会員数:6531万人(2014年10月時点)

・利用率:約5割

コンビニポンタ

引用 :コンビニ・スーパー×IT

 

データからターゲット層の好みを分析し、好みに合わせた商品開発を実践

ローソンはキリンビールと共同し、ビールを定期的に飲む30〜40代女性向けの商品「グランドキリン マイルドリッチ」を開発した。

自社の「Pontaカード」データとマーケティングデータから、「なめらかなコク」「芳酵な香り」の2つの要素が働く女性に好まれているという分析結果を導きだし、商品開発に活かしている。

▼参照

http://voyagemarketing.com/blog/2013/07/12/%E9%A1%A7%E5%AE%A2%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%82%92%E5%85%83%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%9F%E5%95%86%E5%93%81%E9%96%8B%E7%99%BA%EF%BC%93%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%88%90%E5%8A%9F%E4%BA%8B%E4%BE%8B

ファミリーマート:ファミマTカード

・共通ポイント型

・会員数:550万人(2014年5月時点)

・利用率:約3割

コンビニファミマ

引用:コンビニ・スーパー×IT

顧客離れ対策に、ターゲット好みの商品に注力する販売戦略

ファミリーマートは、カルチュア・コンビニエンス・クラブと連携し、ファミマTカードを始めとしたデータを元に顧客動向の分析を行った。その結果、19歳未満の若年層で顧客離れが起こっていることが判明し、同時に若年層が好む商品は、中華まんやアイスであるという結果も得られた。

これらのデータを元に、対策として夏に若年層をターゲットとしてアイスの新商品開発や、入荷数を増やすといった施策を行った。

 

▼参照

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/072400024/072400002/

セブン&アイ:nanacoカード

・電子マネー型

・会員数:2839万人(2014年2月時点)

・利用率:約2割

コンビニセブン

引用:コンビニ・スーパー×IT

データを用いた仮説検証で、月間500万本のヒット商品を生み出す

セブン&アイでは缶コーヒーの売上低迷の理由として、別のヒット商品である入れたてコーヒー「セブンカフェ」の影響があると考えていた。だが、nanacoカードなどから収集したデータを調査した結果、缶コーヒーとセブンカフェでは、客層に明らかな違いがあり、缶コーヒーの売上低迷はセブンカフェが原因でないことが明らかになった。

またアンケート調査から、缶コーヒー購入の決め手には、ブランド力が必要だと判明したため、国内飲料メーカー大手サントリー食品インターナショナルと共同で、PB缶コーヒーの商品開発を行った。こうして開発されたPB缶コーヒー「ワールドセブンブレンド オリジナル」は、販売後月間500万本の売れ筋商品となった。

▼参照

http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXNASFK1804C_Y4A710C1000000&uah=DF260220147959

ビックデータはデータが集まった後に本領を発揮する

コンビニデータ

引用:コンビニ・スーパー×IT

今回の事例から、ビックデータといえど、必ずしもデータの量だけが重要ではないことが分かるだろう。

例えば、データの量だけに注目するならば、3社のうち会員数や利用率が最も高いローソンが有利である。だが、ポイントカードの会員数や利用率でローソンに劣るセブン&アイは、自社の持っていた仮説をもとに、データを検証の道具として使い、売上向上のための施策に結びつけている。

「ビックデータ」というと、その語感からとにかく大量のデータを集めることが重要な印象を受けるが、情報を収集した後の段階、つまり、データから何を読み取り、どう活かすかが重要であることがわかる。人間の考えた仮説に対し、ビックデータは仮説の裏付け、もしくは新しい発見を得るためのもの、と位置づけることができる。

今後コンビニ各社での、ビックデータ活用の幅はさらに広がっていくだろう。

例えば、ローソンは、ビックデータから商品の欠品管理を行い、店舗運営の効率化にも活用するようだ。コンビニ市場が飽和していると言われる中、ビックデータをどれだけ有効に活用できるかが、各社の生き残りに影響してくるであろう。

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